シロアリのベイト工法について!その効果や使い方をご紹介します
ベイト工法は、シロアリに薬剤入りのエサを食べさせるという駆除の方法です。時間がかかりますが、昆虫にのみ有害な薬剤を使うことが多いため、安全に駆除をおこなうことができます。
その詳しい使い方に加え、もうひとつの代表的なシロアリ駆除方法であるバリア工法との比較もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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ベイト工法は薬剤を混ぜたエサでシロアリを駆除する方法
ベイト工法は、シロアリの巣へベイト剤という薬剤を含むエサを持ち帰らせ、根絶するという駆除方法です。シロアリはおもに羽アリ、働きアリ、兵隊アリに分かれますが、そのほとんどを占める働きアリがエサを運び、仲間へ分け与えるという習性を利用しているのです。
また、シロアリの被害にあっていなくても、家の周辺などに並べて設置し、予防対策として利用することもあります。
巣に持ち帰らせて仲間に食べさせないといけないため、成分は遅効性のものが含まれています。どのような効果のある成分なのか見ていきましょう。また、ベイト工法にはおもに2つの方法があるので、そちらも見ていきます。
ベイト剤に含まれる成分について
ベイト剤に含まれているのは、ノバフルムロンなどの昆虫の脱皮を阻害して成長を抑制する薬剤です。シロアリは、成長のために脱皮をします。しかし、脱皮できないと死んでしまうため、その特徴を利用しているのです。
このような成分は、脱皮をする昆虫のみ効果を発揮します。そのため、人や昆虫以外のペットに対して安全性が高い薬剤となるのです。
ベイト工法にも種類がある
ベイト工法には、最初からベイト剤を入れておく方法と、誘引剤を入れたのち、シロアリが食いついたらベイト剤に変更する方法があります。業者がおこなう方法は、後者のほうであることが多いです。
実際にベイト工法でシロアリ駆除・予防をする手順
簡単に説明すると、ベイト工法は以下のような手順でおこなっていきます。
2.ベイト剤を設置する
3.定期的に中を点検する
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
1.被害状況から設置場所を選ぶ
まずは、どこにシロアリが発生して被害を受けているのか調査する必要があります。シロアリが通らないとベイト剤を食べさせることができないからです。
シロアリの発生場所がわかったら、ベイト剤を入れるステーションという容器をどこに設置するか決めます。設置場所の例には、シロアリが発生している場所の周辺や蟻道のそばなどがあります。
予防として利用する場合は、ステーションを水回り、玄関のそば、枕木や切り株などに設置していきます。
2.ベイト剤を設置する
ベイト剤のステーションは、穴を掘って埋める、そのまま置いておく、テープで固定するなど、製品や場所によってさまざまな設置方法があります。また、場合によってはコンクリートに穴をあけて設置することもあるのです。
中身を定期的に確認する必要があるので、土に埋める際はステーションのフタだけ地表に露出させるなど、注意して設置をおこないます。
設置したステーションには、誘引剤もしくはベイト剤を入れておきます。
3.定期的に中を点検する
ステーション設置後は、定期的に確認作業をおこないます。誘引剤のみを入れていた場合は、シロアリの発生が確認できたらベイト剤も入れます。
シロアリの活動や気配がなくなるまで定期的に点検をおこない、ベイト剤が食べられて減っていた場合は追加で投入します。そして、巣の根絶が確認できたらベイト剤を抜いて、ひとまず駆除完了です。
市販されているベイト剤でDIYすることも可能
ホームセンターやインターネットなどでも、以下のようなシロアリ駆除に使用するベイト剤が販売されています。
これらを購入することで、シロアリ駆除や予防をDIYできます。手順は先ほどご紹介したものと同じです。
ベイト工法は、しっかりと点検・監視し、ベイト剤のメンテナンスを繰り返すことが大切です。しかし、頻繁に点検をおこなうとシロアリが寄ってこなくなってしまうことがあります。そのため、点検は月に1度を限度におこないましょう。また、もしシロアリが食いつかなくても、半年は様子を見てから場所を変えるようにしてください。
ベイト工法をDIYすることで、駆除や予防にかかる費用を浮かせることができます。しかし、うまく設置できていないと、数ヵ月をふいにしてしまい被害が拡大してしまう、予防効果がないなどの問題が発生します。そのため、DIYか業者に任せるかは慎重に判断しましょう。
ベイト工法とバリア工法はどちらがいいのか
シロアリ駆除の方法には、ベイト工法以外にバリア工法というものもあります。バリア工法は、薬剤を床下の木材や土壌、基礎などに散布することでシロアリの駆除、予防をする方法です。シロアリ駆除や予防の方法として広く使われている方法でもあります。
バリア工法には、木部処理と土壌処理の2つの方法があります。木部処理は、加害箇所となっている木材に薬剤を塗るもしくは散布する、木材に穴をあけて薬剤を注入したりする方法です。一方土壌処理は、床下の基礎や土壌に薬剤を散布するという方法です。
では、ベイト工法とバリア工法はどちらがいいのでしょうか?まずはその特徴を比較します。
ベイト工法 | バリア工法 | |
環境や人体への影響 | 上述したとおり、脱皮をする生物のみに作用しますので、安全性に優れています。薬剤による臭いやアレルギーの心配もいらず、人はもちろん、犬や猫などのペットへの影響もありません。植物を枯らすということもなく、環境に配慮した工法ともいえます。 | 基本的には安全性が高いものが多いです。しかし、臭いに敏感な方や、化学物質に敏感な方、アレルギー体質の方などは気を付けた方が良いです。 また、ペットへの影響はよく確認し、気を付ける必要があります。 |
即効性と効果期間 | ご紹介したとおり、ベイト工法は、効果を発揮するまで時間を要します。 また、ベイト剤は管理が必要であり、定期的に点検をするのに手間がかかります。 |
バリア工法は、薬剤を撒いてすぐシロアリを駆除することができます。 しかし、シロアリは、離れた地中に巣を作っていることもあり、完全な巣の根絶は難しいといえます。また、薬剤の効果期間はおおよそ5年。多くの業者がバリア工法で5年の保証を設けているのはこのためですが、効果が切れたあとは再処理が必要です。 |
費用 |
費用相場:4,802円/m バリア工法よりも手間がかかることと、定期的な点検・管理を必要とするためバリア工法よりも費用相場が高いです。 |
費用相場:2,165円/㎡ ベイト工法と違いすぐに作業が終わるので、費用相場も安めになります。 |
※費用の相場は、シロアリ駆除業者11社が提示している料金の平均を取ったものです。
※2020年12月現在の金額です。
昔からシロアリ駆除の現場で広く採用されてきた、即効性のある薬剤散布『バリア工法』と、薬剤を撒かず安全性の高い『ベイト工法』、いずれも正しいシロアリ駆除工法であることに間違いはありません。
ご家庭の環境、ライフスタイルによって適切な施工方法を選ぶことが大切です。ベイト工法とバリア工法の違いはわかるけど、実際どっちを選べばいいのかわからないという方は、状況に応じてどちらにするか決めましょう。
ベイト工法はこんなときにおすすめ
人や動物だけではなく、植物や環境にも配慮したベイト工法は、小さなお子さんのいるご家庭や大切なペットを飼われているご家庭におすすめです。ペットなどが掘り返した場合も、ベイト剤は専用のケースに入れられているため、直接触れることはできません。また、化学物質に敏感な方や、アレルギー体質の方はベイト工法を選ぶのがおすすめです。
人やペットへの影響だけでなく、家の構造でもベイト工法のほうがよいこともあります。例えば、床下がない住宅の場合は薬剤を撒くことが難しいので、ベイト工法を選ぶなどです。
バリア工法はこんなときにおすすめ
すぐにシロアリを駆除したい、費用をなるべく抑えたいという方は、バリア工法がよいです。バリア工法に使用する薬剤はいろいろなものがあるため、業者とよく相談し、なるべく影響の少ないものを選ぶことも可能です。
まとめ
ベイト工法は安全性が高く、シロアリを巣ごと根絶させることができます。そのため、安全性を重視する方はシロアリ駆除の方法としてベイト工法を選ぶのがおすすめです。
ただし、時間がかかり、費用は高くなる傾向にあります。そのため、すぐにシロアリを駆除したい、費用を抑えたいという方はバリア工法も検討してみましょう。
ベイト工法はDIYも可能ですが、うまくシロアリがかからないとさらに時間がかかってしまいます。もしうまくできるか不安な場合は、業者にベイト工法を依頼するようにしましょう。
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編集者情報

鈴木宏則 シェアリングテクノロジー株式会社 シロアリ110番 編集長
2015年より編集者としてシロアリをはじめとした害虫駆除に対する記事、100本以上の執筆に携わる。現在も編集者として活動、記事の構成・執筆・現場取材など様々な業務に従事。