【シロアリ対策】寄せ付けないための予防法!防湿シートは逆効果?
シロアリの予防対策はどんな家にも必要です。
「床下に防湿シートを敷いているから大丈夫」と思っている方は要注意!もしかしたらそのシートの下で、シロアリが大繁殖しているかもしれませんよ。床下の地面をコンクリートで覆っている場合でさえ、シロアリ被害が発生することはあるのです。
シロアリを寄せ付けない環境作りや適切な薬剤散布をおこなって、シロアリから家を守りましょう。
目次
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戸建住宅のシロアリ対策は薬剤散布と床下の除湿が基本
シロアリ対策の基本は、薬剤散布と床下の除湿です。現在、戸建住宅にお住まいだという方は、床下からシロアリに侵入されないように下記のような対策をおこないましょう。
防除薬剤を散布する
シロアリの侵入経路と思われる場所に薬剤を散布します。散布の方法には、木材に直接吹き付ける「木部処理」と土壌部分に吹き付ける「土壌処理」があり、どちらの方法もシロアリを近づけないという目的でおこなわれます。
床下の湿気を抑える
日本のシロアリ被害のほとんどを占めるヤマトシロアリやイエシロアリは、湿気のある場所を好みます。そのため、床下の湿気を抑えてシロアリが寄り付きにくい環境を作っておく必要があるのです。
床下の除湿には以下のような方法があります。
・床下換気扇を設置する
床下調湿剤を敷く
床下調湿剤とは、その名のとおり床下の湿度を調整するものです。湿度が高いときには湿気を吸い取り、空気が乾燥しているときには吸い取った湿気を放出します。適度な湿度に保つことで、床下のカビ防止や結露対策にもなるでしょう。
おもな床下調湿剤 | 特徴 |
ゼオライト | 「沸石」とも呼ばれる多孔質の天然鉱物。半永久的に調湿効果が持続する。 調湿剤として使われる天然鉱物にはほかに、セピオライト(海泡石)などがある。 |
シリカゲル | 二酸化ケイ素を主成分として作られた多孔質物質。高い吸湿効果が期待できる。 |
炭 | 調湿剤として加工された木炭や竹炭。防虫・防臭効果もある天然素材だが、ゼオライトやシリカゲルに比べると調湿効果は劣る。 |
調湿剤の効果を高めるためには、土壌からの湿気を遮断する必要があります。そのため、床下の土壌がむき出しの場合(布基礎)は、防湿シートと併用されるのが一般的です。土壌に防湿シートを敷いて固定し、その上に床下調湿剤を敷きつめます。
ただし、注意したいのが、防湿シートがシロアリの温床になってしまうことがあるという点です。
防湿シートを敷けば、土壌からの湿気が床下に上がってくるのを防ぐことはできます。しかし、土壌そのものの湿気は放出されずに溜まってしまうことになるのです。防湿シートの下の土壌は、シロアリにとって最高のすみかになってしまっているかもしれません。不安な方は防湿シートの使用は控えたほうがよいでしょう。
床下一面がコンクリートになっている場合(ベタ基礎)は、コンクリートが湿気を遮断するため防湿シートは必要ないことがほとんどです。
床下換気扇を設置する
床下に換気扇を設置し、空気を定期的に入れ替えることで湿度の上昇を防ぎます。床下換気扇は日中の4~6時間ほど使用するのが一般的です。電気代は、機種や台数にもよりますが、月に百円程度でしょう。床下換気扇の耐用年数はおよそ10年で、こちらも機種や使用環境による違いがあります。
床下換気扇には「排気・給気型」の空気の入れ替えを目的としたタイプと、「拡散型」と呼ばれる床下に空気の流れを作るためのタイプがあります。それぞれ設置場所が異なり、床下の広さや環境によって必要な台数も異なります。
取り付けには「電気工事士」の資格が必要なので、プロの業者に相談して設置してもらいましょう。
建物の周りの対策もおこなう
床下だけでなく、家の周りの環境にも気をつけなければいけません。周囲にシロアリが寄り付くようなものがあれば、そこを拠点にして建物にも食害しにきてしまうおそれがあるからです。
以下のような対策をおこなって、シロアリの原因となるものは取り除きましょう。
・ウッドデッキや枕木にも薬剤を散布する
・ウッドデッキの下や床下換気口の前に物を置かない
・雑草が茂らないようにする
・庭に廃材を放置しない
・切り株は抜く
建物にひび割れがあると、そこからシロアリが侵入してきてしまうかもしれません。ウッドデッキや枕木などの木製品は、シロアリの被害にあいやすいため薬剤処理をおこなうことをおすすめします。
ウッドデッキの下を物置にしたり床下換気口を塞いだりすると、床下の換気が悪くなってしまいます。生い茂った雑草も、換気口を塞いでしまうことがあるので除草しましょう。
庭に置きっぱなしの廃材や放置した切り株も、シロアリを呼び寄せる原因になります。不要な木材はすぐに処分し、伐採後の樹木はきちんと抜根までおこないましょう。
新築だからこそできる対策!シロアリに強い家を作ろう
これから家を建てようと検討中の方は、シロアリ対策を考えた家の構造も取り入れてみてください。新築時におこなうおもな対策は以下のとおりです。
・コンクリートの基礎にする
・基礎断熱材は防蟻性のある素材を使う
・シロアリを寄せ付けにくい木を選ぶ
・基礎の周りに障害物を設置しない
地面から床下までの距離が近いと、シロアリに侵入されやすくなってしまいます。通気性をよくして湿気を抑えるためにも、床下は高くするのがおすすめです。また、床下に人が入るのに十分な高さを確保しておけば、点検もしやすくなります。
コンクリートの基礎は、土壌からの湿気を防ぎ、シロアリに侵入されにくくすることが可能です。ただし、基礎がコンクリートで覆われていても、断熱材がシロアリの温床となることがあります。基礎断熱材には防蟻効果のある素材を使いましょう。柱などの建材も、シロアリを寄せ付けにくい木を選ぶことをおすすめします。
また、基礎の立ち上がり部分を外側から点検できるように、建物の周囲には物を置かないようにしましょう。
このほかにも、新築時のシロアリ対策はハウスメーカーによってもさまざまです。特徴や費用をじっくりと比較して、納得できるハウスメーカーを選んでください。
そして、構造的なシロアリ対策とあわせて、定期的な薬剤処理もおこなっておくことをおすすめします。いくらシロアリに強い家だといっても、シロアリの侵入を完全に防げるわけではないのです。
中古住宅のシロアリ対策と購入前のチェックポイント
中古住宅に住む場合も、1章「戸建住宅のシロアリ対策は薬剤散布と床下の除湿が基本」で紹介したようなシロアリ対策をおこないましょう。
そして、中古住宅を購入する際には、過去にシロアリ被害にあっていないかを確認しておくことが重要です。
売買時に提示される「重要事項説明書」にシロアリ被害の記述はありませんか?一度シロアリ被害にあった家というのは、シロアリが発生しやすい環境であることが考えられます。建物がもろくなっているおそれもあるので、シロアリ被害の有無は必ず確認しておきましょう。
また、書類に記載がなくても、売り主さえも気づかないうちにシロアリ被害が進行しているという場合もあります。中古住宅の購入前には、専門家の検査を受けるようにしましょう。
購入後にシロアリを見つけたら費用を負担してもらえることも
シロアリ被害は建物の耐久性に大きな影響を与え、住宅の価値を著しく下げるものです。そのため、中古住宅を購入したあとでシロアリ被害に気づいた場合にも、売り手にシロアリ駆除費用や建物の修繕費用を請求できる場合があります。これは「契約不適合責任」という民法によるものです。
以前は「瑕疵担保責任」として、住宅購入後に発覚した瑕疵(かし)、つまり欠陥について、売り手が責任をもつように定められていました。2020年4月の改正民法で「契約不適合責任」に変更となり、シロアリ被害がある中古物件についても、この法律でカバーされるようになったのです。
シロアリ駆除や修繕の費用を請求するためには、購入から1年以内に売り手に通知する必要があります。ただし、売り手が故意に被害を隠していた場合には、期限に関係なく請求ができます。
契約書に「シロアリ被害は免責」などと書かれていると責任を問えないので、購入前に確認しておきましょう。
ベタ基礎ならシロアリ対策の必要はない?
「うちはベタ基礎だからシロアリの心配はない」とお考えではないですか?コンクリートで床下全面を覆ったベタ基礎であってもシロアリ被害は発生します。
コンクリートにできたひび割れや継ぎ目、配管とのわずかな隙間からシロアリに侵入されてしまうというのは珍しい話ではありません。
また、シロアリはコンクリートに穴を開けることもできます。わざわざ硬いコンクリートを選んで来ることはないでしょうが、ほんの少しでも隙間があれば、その穴を広げて侵入してくることはあるのです。
つまり、シロアリ対策はどんな家にも必要であるといえます。木造住宅はもちろん、鉄筋コンクリート造のマンションでさえシロアリ被害にあってしまうことがあります。どのような建物でも、シロアリ対策はおこなったほうがよいでしょう。
弊社では、駆除はもちろん、シロアリ予防のご相談も受け付けております。「まずは見積りだけ知りたい」という方も、お気軽にお問い合わせください。
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予防対策をしていてもシロアリ被害にあうことがある
さまざまなシロアリ対策をご紹介してきましたが、予防をおこなっていてもシロアリ被害にあってしまうことはあります。生き物が相手なので、完全に防ぎきることが難しい場合もあるのです。
もしも以下のような兆候を見つけたら、シロアリ被害を疑ってください。
・床がギシギシと鳴る
・室内に木くずが落ちている
・春先に羽アリを見かける
・基礎に土のかたまりのようなものがついている
このような兆候は、すでにシロアリの食害にあっていたり、シロアリの通り道ができていたりする証拠です。なるべく早く、プロのシロアリ調査を受診してください。
また、つぎの項目に当てはまる場合は、シロアリが生息しやすい環境ができているおそれがあります。
・冬になると結露する場所がある
・建物の近くに樹木がある
・建物の周りに木材やダンボールが置いてある
シロアリのエサとなるようなものは撤去し、環境を改善するとともに、すでに被害が発生していないか調査をおこないましょう。
定期的に防蟻処理をしよう
ひとたびシロアリ被害にあえば、大規模なリフォームが必要となることもあります。薬剤の有効期限である5年を目安に、定期的な防蟻処理をおこなってシロアリ被害を予防しましょう。
防蟻処理は、シロアリが寄り付くおそれのある場所、シロアリの通り道となりうる場所のすべてに、むらなくおこなわなければなりません。
薬剤だけでなく、それを散布・注入する機材や床下に潜るための防具など、必要な道具も多いです。床下の狭い空間での作業は危険もともなうため、プロに任せることをおすすめします。
まずは調査を依頼して、床下の状態を調べてもらってはいかがでしょうか。正確な診断をしてもらうことが、シロアリ対策の第一歩です。
弊社でも、無料でご相談を受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
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編集者情報

鈴木宏則 シェアリングテクノロジー株式会社 シロアリ110番 編集長
2015年より編集者としてシロアリをはじめとした害虫駆除に対する記事、100本以上の執筆に携わる。現在も編集者として活動、記事の構成・執筆・現場取材など様々な業務に従事。