シロアリの駆除用薬剤の成分は安全?人やペットへの影響は

シロアリ駆除剤の影響や方法の変化

シロアリ駆除には欠かせないシロアリ防除剤ですが、その影響については昔からさまざまな言及がなされてきました。
ときには人体への健康被害を及ぼし、そのたびに代替薬剤が用意されて、人間への薬害が少なく済むよう改良されて今日に至ります。
シロアリ駆除剤の変遷と人体への影響について、詳しくみていきましょう。

シロアリ駆除剤の歩み

シロアリ駆除剤の歩み

今も昔も、シロアリの駆除の主流は薬剤の使用です。
現代は、人体への影響も配慮されるようになり、健康へ配慮した薬剤なども登場していますが、昔は必ずしもそうではありませんでした。
シロアリ駆除の歴史の中では、中国などで古くからヒ素が使われていたとされます。
ヒ素が人体に甚大な毒害を与えるのはいまや言わずと知れたことですが、かつて日本でも大きな健康被害を出した駆除剤があったのです。

昔のシロアリ駆除剤

かつてシロアリ駆除には「クロルデン」という薬剤が使われ、シロアリ駆除剤の90パーセントを占めていました。
一度クロルデンを使用した家屋は一生シロアリ被害を受けないといわれるほど強い薬だったのですが、それほどまでに強い薬剤が人間の健康に害悪を及ぼさないはずもなく、昭和61年に輸入・製造・使用が全面禁止になりました。

薬剤の種類と成分

使用禁止となったクロルデンの代替薬品として有機リン系殺虫剤の「クロルピリホス」が使われるようになりましたが、こちらも平成9年にはシックハウス症候群の原因として安全性を疑われ始めました。
シロアリ駆除を職業とする人たちもクロルピリホスによって既に健康を害されはじめており、平成4年ごろから「合成ピレスロイド」が使われるようになりました。
この合成ピレスロイドは除虫菊の殺虫成分をまねて作られたピレスロイド系薬剤です。

安全性と環境への影響

シックハウス症候群とは、頭痛やめまい・目やのどの違和感・吐き気・肌荒れなど様々な症状を出す病気で、有機溶剤などを長期間・高濃度で吸い続けると起こる健康障害です。
接着剤や塗料に含まれる「ホルムアルデヒド」が有名ですが、クロルピリホスはホルムアルデヒドよりもずっと毒性が強いといわれます。
一時期はシロアリ駆除剤の7~8割を占めていましたが、事実上使用禁止になりました。

妊娠中の方への影響

殺虫剤の成分には、「環境ホルモン」と呼ばれる内分泌かく乱物質である疑いがあるものがあります。
生き物の正常なホルモン作用に影響を及ぼす物質のことで、母体を通して胎児に受け渡されやすいとされるため、注意が必要です。この環境ホルモンのリストの中にクロルデンも含まれています。
現代の殺虫剤には健康に顕著な害を及ぼす量の物質が含まれていることはないとされますが、母体があまりに莫大な量を浴びた結果、奇形出産や幼児の知能発達不十分など、子どもに健康被害が及ぶという報告もあります。

犬や猫などのペットへの影響

シックハウス症候群の原因となる物質には比重が大きい化学物質などが多く、天井や壁などから降りてきて床の上に広がり、停滞するといわれます。
人間よりも小さい犬や猫などは床に近い場所で生活しているため、汚染された空気の中で呼吸をすることになり、人間よりも影響が出やすいといわれています。

子供への影響

子どもは大人に比べて一日の食事量や呼吸量の総量は少ないのですが、体重1キロあたりの比較では、大人の二倍以上の量の毒素を吸収してしまうといわれています。
子どもは化学物質に敏感なため、重症化するケースもあります。シックハウス症候群では目のかゆみや痛み、鼻水や耳鳴り、悪い時には頭痛や不眠などが発生するため、子どもの集中力を低下させ、勉学に多大な悪影響を及ぼすこともあります。

今のシロアリ駆除剤

今のシロアリ駆除剤

シロアリ駆除剤はかつての健康被害の反省を受けて、安全性を重視した開発が続けられてきました。

しかし、そのぶん即効性や駆除の威力は下がり、現在の駆除作業一回につき効力は5年ほどしか保たないとされています。

そこで、今では工事完了後5年以内にシロアリが再発生した場合は無償で対応するという「シロアリ5年保証」が一般的です。

なかには10年保証を謳う業者もありますが、現在日本国内で使用可能なシロアリ駆除剤の効力は5年と決まっているので、慎重な判断が必要になります。

薬剤の種類と成分

ここからは、現在のシロアリ駆除薬に使われている主な物質を紹介します。

ネオニコチノイド系

最近のシロアリ駆除剤では主流となっている、新しい系統の薬剤です。タバコに含まれるニコチンに似た構造をしています。シロアリに対して忌避性がないので、シロアリは知らずの内に薬剤に接触し、駆除されます。
人畜や魚類に対する毒性がとても低いことや、高い殺蟻性があるのが長所です。一匹のシロアリを経由してたくさんのシロアリを駆除できる「ドミノ効果」が期待できます。
一方で、水に溶けやすいため土壌の流出には注意が必要です。ミツバチに対する影響が高いことも、環境への悪影響として指摘されています。

ピレスロイド系

即効性に優れており、けいれん、麻痺作用によって蟻を殺します。シロアリはピレスロイド系の薬剤に対して強い忌避性を持っているので、散布が甘いところがあるとそこから侵入されることがあります。
人畜に対する毒性が低く、即効性が見込めるところが長所です。しかし、魚毒性が高いこと、目や機関に入るとピリピリと痛みを感じることが短所になります。

フェニルピロール系

呼吸障害を起こしてシロアリを撃退します。高い殺蟻性、ドミノ効果が期待できることが長所ですが、人畜や魚類に対しても毒性が強いのが大きな注意点です。

フェニルピラゾール系

少ない量でとても強い殺虫能力があります。忌避性がなく、ゆっくりと作用するので、高いドミノ効果が期待できます。シロアリの駆除用として多くの薬剤に使われています。
人畜に高い毒性を持つので、マイクロカプセル化した薬剤も開発されています。

カーバメート系

神経の刺激伝達物質の分解酵素を阻害し、過剰な興奮状態を引き起こして中毒症状を起こさせることで、シロアリを退治します。
熱や光に対する安全性が高いことや、魚に対する毒性が低いこと、強い殺蟻力があることが長所です。しかし、室内の空気を汚染する可能性があったり、人畜に対する毒性がやや高かったりする欠点もあります。

安全性と環境への影響

シロアリ駆除剤は昔に比べて安全性が高くなったとは言われますが、アレルギーや化学物質過敏症をお持ちの方、また、小さなお子さんやペットがいらっしゃる方や妊娠中の方は、十分注意して使用してください。

妊娠中の方への影響

各薬剤の効果を見るとわかるとおり、駆除剤にはシロアリに身体的な異常を起こして駆除するものが多くあります。害虫の神経に作用して駆除するように作られているため、農薬が脳や神経に影響するといわれているのです。
細胞分裂中の胎児や急速な成長期にある子どもは代謝や解毒機能が未成熟です。そんな重要な発達期である子宮内にいるころや生後間もなくのころに農薬にさらされると、特に影響を受けやすいとされています。
また、家庭で殺虫剤の汚染を多量に受けた母親から生まれた子どもは、白血病にかかるリスクが二倍になるという示唆も出ています。

犬や猫などのペットへの影響

ペットを飼っている方は、副作用への注意は必要になります。シロアリ駆除剤のほとんどは人間には害の少ないものになりますが、よくない影響をペットが受ける場合があります。とくに、哺乳類ではない魚類や爬虫類などには効果が顕著に出る場合があるので、きちんと用法を調べましょう。
また、シロアリ駆除剤のなかでも毒性の高い薬剤はほとんどがカプセル式で、人体に配慮されたつくりになっているのですが、犬や猫がそれをまるごと飲み込んでしまう恐れもあるので、防除工事をする際は注意しましょう。

子供への影響

赤ちゃんや子どもは、身体や脳がまだ発達しきっていないために、農薬の影響を受けやすくなっています。薬剤に直接触れたり吸い込んだりすることによってアレルギー反応を起こし、喘息や脳の発達に影響する場合があります。薬剤の使用は局部的にすることをおすすめします。
現在の駆除剤は人体に配慮されてつくられているといわれていますが、万一害が及んだときに真っ先に影響を受けるのは赤ちゃんや子どもになります。使用量や使用方法には十分注意して取り扱いましょう。

まとめ

かつてシロアリ駆除剤には大変毒性の強い物質が使われていました。それが人間への健康被害を生み出した結果、薬剤は何度も改良され、現在使用されているような物質へと変遷していったのです。

昔に比べて今のシロアリ駆除剤は効果が短くなっていますが、それは人体への影響を配慮した薬剤を選んだ結果ということになります。
現在のシロアリ駆除剤については、

・赤ちゃんや子どもへは特に影響しやすい
・母体を経由して胎児にも影響を与える
・ペット(特に哺乳類以外)に強く影響する場合がある

ということが、とくに重要な点であると言えるでしょう。

昔よりも人体にやさしい薬剤が使われているのは確かですが、危険性が完全に払拭されたわけではありません。シロアリ駆除の際は駆除剤の特徴を押さえて、慎重に使用するようにしましょう。

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